仙台育英(宮城)は、浦和学院(南埼玉)の4投手に4安打に抑えられ、01年以来となる初戦敗退に終わった。

 OBで、17年前は記録員でベンチ入りしている須江航監督(35)は、甲子園初采配での完敗に「渡辺君の対策は十分してきた。想定以上に真っすぐにスピードがあった。球速表示以上に力がある」と脱帽した。夏の宮城大会で、チーム1位の打率5割9分1厘をマークした8番沢田は無安打。レベルの高さに驚き「渡辺はすごい投手だった。修正しようと思ったけど、力不足でした」と肩を落とした。

 昨年12月に元部員らの飲酒喫煙行為が発覚し、半年間の対外試合禁止処分を受けた。佐々木順一朗前監督(58)の引責辞任に伴い今年1月から須江監督が就任。全力疾走とカバリングを徹底事項に挙げて、チームを引き締めてきた。自校グラウンドに掲げてある「走姿顕心」の4文字通り、この日は打った後や守備位置までの全力疾走を怠らなかった。同監督は「新しくやってきたことはたくさんある。目に見えないところかも知れないが、100点をあげたい」と伝統を紡いだ選手たちをねぎらった。