高岡商(富山)のサウスポー山田が、大阪桐蔭(北大阪)を追い詰めた。スライダーがキレ、今秋ドラフトの目玉2人から3三振。春夏連覇を狙うV候補筆頭を8回8安打3失点の11奪三振。番狂わせの予感を漂わせ、甲子園をヒートアップさせた。

 「ベストピッチです。日本一のチームにこれだけ投げられて、成長できたと思うけど、悔しいです。目標は日本一だったので」

 今夏の富山大会で最速148キロをマーク。「プロ注目」と騒がれた。ただ、これまではスライダーの精度が悪く、直球と変化球の比率は8対2。エンゼルス大谷の腕の振りを参考にフォークを覚えたものの、今大会1回戦の佐賀商戦では1球投げただけ。2回戦の佐久長聖戦、この日と甲子園3試合で一気に覚醒した。

 「それでも、甘い球は全部打たれた。まだまだ力が足りません。今後の(野球)人生で取り組みたい」。甲子園に爪痕を残した、伸び盛りの左腕が、さらに高みを目指す。