来春センバツへの重要な参考資料となる、第71回秋季高校野球静岡県大会が15日に開幕する。4年ぶり19度目の出場となる清水東(中部3位)は、1回戦で袋井(西部5位)と対戦。2年前から県内チームで唯一、初動負荷トレーニングを取り入れ、プレーの質が向上した。強豪校を倒し、42年ぶりの東海大会出場を目指す。

次々とマシンを替え、慣れた手つきでトレーニングを行う清水東の部員たち。時折仲間と談笑しながら、リラックスした表情を見せる。静岡市内の初動負荷トレーニング専門のジムで、約1時間汗を流した後、木部翔太主将(2年)は明るい表情で話した。「疲れがとれて、体の正しい使い方も確認できました」。

清水東は大代茂雄監督(49)が就任した16年秋から、初動負荷トレーニングを採用する。現在は週に3度、同校グラウンドでの練習後に、バス移動して行っている。大代監督は「マシンを使った複雑な動きで筋肉を柔軟にし、より可動域が広がるようにしたい。それと血流も促進し、筋肉の疲労をとるために」と採用の理由を明かした。

導入から2年、選手たちの体も変わってきた。4番を任される木部は「股関節が柔らかくなったことで、より重心を下げて力強いスイングができるようになりました」。エースの堀池駿友投手(2年)は「肩甲骨が広がって、全身を効率よく使った投球ができるようになりました」とその効果を語った。

それでも大代監督は、日々の練習が大事と説く。「このトレーニングは、動きの質を高める補助的なもの。まずは野球の技術力向上が必要です」。そのため、部員たちは練習で互いに気づいた点を話し合い、修正し、プレーの質を高めるという意識で臨んでいる。

4年ぶりの県大会。木部は「どこが相手でも対等な気持ちで戦います」と宣言。全国的に有名なサッカー部の陰に隠れがちな野球部だが、「センバツに出て、認知度を上げたいです」と意気込んだ。【河合萌彦】