明桜の新エース右腕・長尾光(1年)が名前のごとく“光った”。1-3の4回から2番手でマウンドに上がり、6回5安打6奪三振無失点。5回1死二、三塁のピンチはチェンジアップの多投で乗り切った。リズムのよい投球で打線の援護を引き出し、逆転勝ちで8強進出に導いた。「ブルペンでつくってなくて、少し不安だった。今日は真っすぐが走ってなかったけど、チェンジアップで緩急をつけられてよかった」と177センチ、72キロの将来性豊かな背番号1が胸を張った。

輿石重弘監督(55)から1カ月前に伝授された120キロ前半の沈む新変化球が投球の幅を広げた。「握りを変えて、直球と同じ腕の振りを意識したら簡単に投げられた」。最速135キロの直球と、切れ味鋭いスライダーを組み合わせることで、投球が安定した。仙台市太白区出身で、中学は仙台ボーイズに所属。昨夏は秋田大会優勝、今夏は準優勝に導いた大黒柱の山口航輝投手(3年)に憧れて、秋田に越境入学してきた。この日、山口が見守る前での力投に「明桜の背番号1は重いもの。みんなの思いを背負ってやりたい」と宣言。10年ぶりの秋制覇に向けて、力を込めた。