帝京長岡は26年ぶり2度目の北信越切符。エース塚田大輔投手(2年)が9安打1失点。1番打者として先制のホームを踏み、9回表1死三塁では左前適時打でダメ押しした。準決勝は22日、ハードオフ新潟で行われる。

帝京長岡のエース塚田投手が、オールラウンドな存在感をダイヤモンドで見せつけた。打って、走って、投げた。初回。1番打者として中前打で出塁し、次打者の初球に盗塁。1死一、二塁となった場面では4番奥村睦人一塁手(2年)の左前打で二塁から生還した。3-1の9回1死三塁では4点目をもぎ取る左前適時打。投げては3-1の5回無死満塁のピンチを無失点で切り抜けた。「(5回に)点を取られていたら、流れを持っていかれていた」と胸をなで下ろした。

「粘り強く放ってくれた。成長を感じる」と投手としての塚田を評した山本学監督(43)は「投手でも走らせる。鍛えておけ」と厳命していた。チームに流れを呼び込む1番打者は、今大会開幕直前に5番打者から打順変更。50メートル6秒2の俊足ぶりを見込んだ芝草宇宙コーチ(49=元プロ野球日本ハム)が1番に据えた。4月に外部コーチに就任した芝草コーチは1カ月のうち通算1週間、ナインを直接指導。「打撃は粘れ、と言われ続けた。投手では低めの制球を意識させられている」。4打数2安打1打点、9回被安打9の1失点完投。塚田は“芝草イズム”を投打で見せた。【涌井幹雄】