今夏甲子園に北北海道代表として出場した旭川大高が、南北海道代表の北照を15-8の7回コールドで下し、夏春連続甲子園へ前進した。主将で4番の持丸泰輝捕手(2年)が、4回の2点適時三塁打など2安打3打点でけん引。好守でも貢献し、秋の全道5年ぶり勝利に導いた。

リーダーの一打で流れを変えた。6-3と再逆転して迎えた4回2死一、二塁、持丸は低めの変化球をすくい上げるようにバットに乗せ、中堅フェンスぎりぎりまで運んだ。「監督から、ここで1本出たら大きいぞと言われて打席に入ったので、何とか打てて良かった」。中越え2点適時三塁打で点差を広げ、7回は自身の打席の直前でコールド勝ちが決まった。「自分が打って決めたかったけど、チームの勝利が一番。まずは1つずつです」と前を見据えた。

捕手として守備でも輝きを放った。5回無死二塁では、リードの大きい二塁走者をけんで刺し、ピンチの芽をつんだ。「肩は自分の持ち味。スキあればどんどん投げてプレッシャーをかけたかった」。投手陣3人が10安打を浴び、8失点と苦しんでいた。うまくリードできないもどかしさの中、要所で好プレーを見せ、盛り返そうと攻め来る夏の南大会王者をいなした。

8月12日、新チーム最初の練習試合で13-5と完勝した。だからこそ気を引き締めて臨んだ。この日、会場入りするバスの中で、前主将の青木亮樹(3年)から「油断せず自分たちのやるべきことをやれ」とメールを受けた。現主将として試合前には「前回やったときとチームが変わっている。攻守とも集中して入ろう」と伝えた。精神的支柱としてチームをまとめ、初戦突破に導いた。

武器の飛距離も戻ってきた。地区予選で11打数6安打も、長打は二塁打1本のみ。全道大会前に端場雅治監督(49)から「上からたたきすぎている。ボールをバットに乗せるイメージで」と指摘され修正。「夏の感覚に戻った。いい感じで振れている」と手応えを口にした。今夏、北大会2発も聖地では不発で、チームもタイブレークの末に初戦敗退。今度は主将兼主砲として2季連続甲子園切符をつかみ、夏の雪辱を果たしに行く。【永野高輔】