筑陽学園(福岡)が、2戦連続サヨナラの劇的勝利で、来春センバツ当確ラインの4強に進出した。0-0のまま、延長12回でも決着がつかず、今大会初のタイブレークに突入。

13回表の無死満塁のピンチを無失点に切り抜けると、その裏、同じく無死満塁から、ゴロを処理した一塁手が本塁へ悪送球。初戦に続き、2日連続で敵失によるサヨナラ勝ちを収めた。

江口祐司監督(56)は「きつかったけど、ベンチの声が…」と言うと、こみ上げるものを抑えきれずに涙を流した。「3年前に亡くなった部員がいて…。どうしても甲子園に行きたくてここまで頑張ってきました」と目を赤く腫らした。

先発して13回まで興南打線を無失点に抑えた西舘昂汰投手(2年)は「疲れはなかった。打たれる気はしなかった」とニッコリ。最後、敵失を呼ぶ一塁へのゴロを放った福岡大真外野手(2年)は「何も覚えてません。バットに当てれば何かか起きると思っていた」。94年夏甲子園で準優勝した樟南のエースだった父真一郎さん(42)もスタンドで見守り「持ってますよ」と孝行息子の“活躍”に目を細めた。

13回表では、92年夏に甲子園を制した西日本短大付の主将、中村寿博・日本文理大監督の次男、中村敢晴内野手(1年)の好守備でピンチをしのぐなど、チーム一丸となって守った結果のベスト4入りだった。