東邦が愛知県勢11度目のセンバツ制覇を達成し、都道府県別では大阪と並んだ。春は05年愛工大名電以来、夏を含めれば09年中京大中京以来の甲子園V。

それを陰から支えた取り組みがある。15年から愛知県高校野球連盟が主催している招待試合だ。

毎年6月、強豪校を招待し、前年秋の県内4強と2日間に分けて対戦する。愛知県高野連の神田清専務理事は「甲子園で勝てない時期が続いた。強化として始めた」と話す。これまで履正社(大阪)、高崎健康福祉大高崎(群馬)、早実(東京)、大阪桐蔭などが来県。今年は日大三(東京)の招待が決定している。

昨年6月、東邦はこの招待試合で大阪桐蔭に5-12で大敗。根尾、藤原らを擁した当時の世代最強クラスと対戦し「全国レベルを肌で感じられた。このままでは通用しないとみんな思った」と志水和史副部長(39)。一塁手の松井も「レベルの高い試合で自分たちとは違うな」と力の差を痛感するばかりだった。

だが鍛錬を重ね、東邦の昨秋のチーム打率は出場32校中でトップの3割8分6厘、1試合平均4・06盗塁もトップの成績を残すまでになった。東邦はこの春5つの勝ち星を積み上げ、センバツ単独最多56勝に。愛知県高野連の鶴田賀宣副理事長は「取り組んだ結果がつながったかなと思います」とほっとした様子で話していた。【望月千草】