近江が2点を追う9回裏、起死回生の逆転3ランで劇的なサヨナラ勝利を収めた。

9回裏、無死一、二塁から3番住谷湧也外野手(3年)が内角のスライダーを捉え、右翼席にたたき込んだ。「林(優樹投手=3年)が最少失点で抑えてくれていた。スタンドの声援もあってみんなで打てたホームランかなと思います」。高校通算16本目は人生初のサヨナラ弾になった。

この冬はウエートトレーニングを重ね、体重を4キロ増量。春にかけての練習試合では、本塁打を14本量産しており、努力の成果をここ一番でも見せつけた。

先発のU-18日本代表候補の林は、得意のチェンジアップを低めに集め、9回6安打11奪三振の好投。「一人で投げきるのが目標だった」と言い、手応えを口にした。

敗れた智弁学園は4回に相手の失策絡みで先制。以降は無安打に抑えられたが、9回に追加点。逃げ切りを図り、目前にあった勝利を手にしきれなかった。

小坂将商監督(41)は「(サヨナラ本塁打は投手の)投げ急ぎもあった。完敗。向こうのバッテリーのリードに、うまいこと配球も変えられた。取りに行くボールに対応できなかった」敗因を淡々と振り返った。