報徳学園が2年連続甲子園へ好発進した。積極的な走塁で序盤からチャンスをものにした。15安打で11点を奪い、5回コールドで試合を終わらせた。

先発した最速142キロ左腕の林直人投手(3年)は切れ味鋭いスライダーや伸びるスライダーを低めに決めた。5安打は浴びたが要所を三振で切り抜けた。4回無失点と上々の滑り出しになった。「初戦だったので緊張しました。しっかりコースに投げきらないと、という思いが強すぎて腕が振れなかった。相手もやることをやってきている。夏はやっぱり打たれます」と満足はしなかった。

昨夏の甲子園でも登板した屈指の左腕には、悔しい思いがある。昨秋の近畿大会で初戦に近江(滋賀)を2失点完投で下したが、同じ兵庫県勢の明石商に敗れベスト8。惜しくもセンバツ選考に漏れた。

さらに今春は市尼崎に4被弾して6-8の敗戦。県大会にも進めなかった。ナインも号泣するショッキングな一戦。「力負けだった。悔しさを通り越して恥ずかしかった。まずきもちをつよくして、フォームを直して、いい投手になろうと思いました」と成長につなげた。