小園先輩と同じように甲子園に行く。報徳学園(兵庫)が2年連続の夏甲子園へ5回コールド発進した。昨年まで広島小園と三遊間を組んでいた大崎秀真内野手(3年)が適時打2本、4打点と活躍。走攻守そろった遊撃手は先輩そっくりの打撃フォームを会得して名門を引っ張る。

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「背番号6」の後ろ姿が、どことなく大先輩に似てきた。報徳学園・大崎が大技、小技で初戦コールド勝ちに導いた。「2番遊撃」で先発し犠打、スクイズ、右前適時打に最後4回はコールド試合の条件となる11点差に広げる2点二塁打を左中間にかっ飛ばした。

「去年は先輩についていっただけでのびのびやらせてもらったので、自分たちで引っ張らないと」と意欲を燃やす。背番号6をつけて報徳学園の遊撃を守ることは「重圧はあるけど、ビビッたら余計ダメなんで」と腹を決めている。

50メートル6秒の俊足を生かすため1年冬に左打席も始め、昨秋までは両打ち。いつも近くで小園を観察し、打撃フォームをまねしていると左がぐんぐん急成長。今年3月からはついに「左1本」になった。

「今も小園さんをまねしてプレーしようと思っている。目標で、見本です。寄せている部分もあります。もしかして小園さんにないところも自分にはあるかもしれない。全部負けているけど、守備は自信あります。近づきたいです」。

「9番三塁」のレギュラーだった昨夏の甲子園でも全3試合にフル出場し、両打席で立った。ただ9打数ノーヒットと悔しい思いをした。2年連続で高校日本代表に入った小園との差はまだ大きい。

プロで奮闘する先輩は客観視できるようになり、スマホで研究する毎日。チームには9日に激励の連絡も来て「気が引き締まりました」。小園2世と呼ばれるような夏にする。【柏原誠】

◆大崎秀真(おおさき・しゅうま)2001年(平13)8月29日、東京都生まれ。兵庫県西宮市の北夙川少年野球部で野球を始め、報徳学園中でも野球部。昨夏の甲子園は全3試合に「9番三塁」でフル出場。175センチ、70キロ。右投げ両打ち。両親と姉。好きな選手は広島小園、西武源田。