旭川北が前回甲子園に出場した04年以来15年ぶりに4強に進出した。一昨年の甲子園出場校・滝川西との公立高対決を制した。

1回に最速145キロ右腕、伊東佳希(3年)が四球と連打で1点を先制された。試合前まで地区2試合を含めて3試合27イニング無失点、46奪三振のエースが、今夏初めて失点を許した。

だがエースが苦しむ状況に打線が直後の攻撃で応えた。1死一、二塁から4番小山奨太中堅手(3年)の左翼線適時二塁打で同点。その後は3安打に相手失策も絡み4得点。この回打者一巡の攻撃で5得点を挙げた。2、3回にも1点を追加し、リードを広げた。

援護をもらったエース伊東は3回にも1点を許したが、その後は尻上がりに調子を上げた。直球とスライダーを軸に、終わってみれば毎回の13奪三振5安打2失点完投で勝利に導いた。伊東の毎回奪三振は旭川南との地区2回戦の9回から、この試合まで4試合28イニングに伸びた。

旭川北の笹森敦監督(51)は「伊東が最初に1点を取られましたが、打線は練習でもバッティングが上がってきていたので、何とか火がついてくれないかと思っていた。(初回に)ヒットが続いて点を入れてくれた。公立高校で甲子園は現実的じゃない中で、言い聞かせながらやってきた。だんだん現実味を帯びてきて選手もわくわくしている。毎試合毎試合成長が見られるので、次の試合も楽しみです」と話した。