伊那弥生ケ丘が小諸商を下し、初の準決勝進出を決めた。これまでは2002年のベスト8が最高成績だった。

2番手の富永悠斗投手(3年)が4回から9回まで6イニングを3安打無失点に抑え、勝利に大きく貢献した。右のサイドスローで、極端に中腰の姿勢から、三塁側に大きくクロスステップする独特の変則フォームで小諸商の打者を幻惑した。富永は「僕はオーバーハンドで投げてもスピードが出ないので、どうしたらやっていけるか中学の時に考えてこのフォームになりました。スピードを出したいんですが、出ないものは仕方ないので、いかに遅い球で打ち取るか、取り組んでいます」と、爽やかに笑った。

カーブはこの日90キロ台だったが、今までの最も遅いボールは70キロ台という。「コースに決まれば打たれません。甘く入ると、打たれてしまいますけど」。スライダー、チェンジアップ、シュートも含めて球種は豊富。「ストレートは125キロは出ません。最速は124キロだと思います」と恥ずかしそうに言うが、自分が生きる道を模索して、たどりついたフォームだけに堂々としている。

これで4強入りし、20日は優勝候補の東海大諏訪と対戦する。