今秋ドラフト1位候補の創志学園・西純矢投手(3年)が倉敷古城池戦に先発し、6回2安打無四球完封(6回コールド)でベスト8進出を導いた。

真夏日の炎天下で6回を65球。「ここから中1日での連戦が続く。少しでも球数を少なく、省エネピッチングができるように」。緩いカーブと直球を主体にストライクゾーンに集め、三振7個も奪った。

大会前から投手コーチ指導の元、決勝で100%の力が発揮できるように調整。夏3戦目のこの日は「70%くらい」。しっかりギアアップを逆算し「決勝で100(%)の力が出せると思う」と順調そのものだ。

ライバルに刺激を受けつつ、自らの道を行く。同じく「高校四天王」と呼ばれる大船渡・佐々木や星稜・奥川が県大会で快速球を披露。「どういう状況でも、自分のベストピッチができている」。活躍を横目に見ながらも「(自分の)球速は意識せずに」と冷静だ。

国内9球団のスカウトが見守る中、この日は7割の力でも最速149キロを計時した。佐々木が160キロを出して21奪三振、決勝弾も放った試合は寮のパソコンで生観戦。今春のU18高校日本代表候補の研修合宿で一緒に戦った盟友と、聖地で再会したい思いは強い。

感情が投球に直結するなど、課題だった精神面もたくましさを増した。「しっかり(残り)3試合、自分が投げて甲子園に」。25日の準々決勝から決勝までは4日で3試合勝つ必要がある。最後の夏へ、約30キロある練習グラウンドから寮までの帰り道を週1回、約3時間かけて走り込んできた。投げ込みも強化。進化した西が、2年連続の聖地に突き進む。【奥田隼人】

<創志学園・西純矢投手(3年)今夏の全登板>

1回戦(13日)岡山南戦 7回 5安打 2失点 10奪三振 6四球 最速150キロ

2回戦(21日)倉敷南戦 4回 1安打 無失点 7奪三振 無四球 最速148キロ

3回戦(23日)倉敷古城池戦 6回 3安打 無失点 7奪三振 無四球 最速148キロ

▽DeNA吉田スカウト部長 フォームがいい。落ち着いて投げている。(長所は)自らの力を思い切り使って、腕を振って投げることができる。いいピッチャーだね。楽しみ。

▽ロッテ黒木スカウト 1回戦、2回戦、3回戦と徐々に良くなっている。初戦は力任せになっていたが、本来の姿に戻ってきている。