<高校野球兵庫大会:高砂4-3加古川西>◇25日◇準々決勝◇ウインク球場

1-4で迎えた最終回、2点を挙げ1点差に迫るも高砂にあと1歩及ばなかった。

しかし、「この夏をやりきる」がテーマだった加古川西ナインにとって、間違いなく「やりきった夏」だった。「周りから応援されるチームに」。高見心太朗主将(3年)が話すように、吹奏楽部、他の運動部を含め総勢400人に迫る大応援団で一塁側スタンドは澄みきった空のように青一色に包まれていた。

山本陽平監督(37)は常々選手に「人間的成長なくして、野球だけでは勝てない。日常生活が大切」と話す。全ての部員が積極的にクラス行事に参加し、各学年の9割ほどの教室でクラス委員長と体育委員は野球部員が務める。「応援されるには、教室の周りに気を使うことが必要。クラス委員になるとそれができる」と高見主将。山本監督も「高見は学年を引っ張る存在」と部外でも欠かせない存在で、主将自ら部員の手本となってきた。加古川西野球部には約400人近くもの人の心を動かす魅力がある。【松本直也】