NO・1遊撃手はオレだ! 第101回全国高校野球選手権大会(甲子園)に2年連続10度目出場の八戸学院光星(青森)・武岡龍世内野手(3年)が、12日に行われる智弁学園(奈良)との2回戦に備え、兵庫・西宮市内で練習した。

相手は中学1年時に故星野仙一氏(享年70)率いる日本代表チームで一緒にプレーし、プロも注目する坂下翔馬遊撃手(3年)が主力に君臨。U18日本代表候補としても、負けるわけにはいかない。

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武岡がライバルに対し、静かに闘志を燃やした。「負けたくないですけれど、なるべく意識しないようにします。力が入っちゃうので」。主力として3季連続の甲子園出場で、平常心で臨むことが一番大事なことも知り尽くしている。6日の誉(愛知)との開幕戦でもフェンス直撃の中越え適時三塁打を含む3安打2打点と好調。「ボールの芯に当てていくことだけを意識しています。良い感じで来ています」。プロ注目の打撃も守備は、最高の状態に仕上がっている。

今年3月の関西遠征初戦の練習試合で智弁学園・坂下と久しぶりに再会した。2連敗を喫したリベンジも期す。今夏に二塁手から遊撃手にコンバートし、奈良大会では打率6割8分2厘5本塁打13打点の坂下へ、2回戦進出を決めた直後には、LINEも送った。「次の試合は楽しもう」。中1の夏、星野JAPANの同じ内野手として米国遠征し、カル・リプケン杯世界少年野球大会準優勝を果たした仲間の実力は熟知している。「甘く入れば打たれるので、投手陣には伝えています」と警戒を強めた。

トップバッターとして相手投手分析も万全だ。相手エース右腕・山本奨人投手(3年)に対しては「スライダーが良かった記憶があるので、膝下の変化球を振らずに甘い球を打とうと徹底しています」。ともに1年生の右腕・小畠一心、左腕・西村王雅も研究済み。相手強力打線を上回る、青森大会15本塁打の打撃力で攻略する自信はある。

昨夏の2回戦では同じ近畿の龍谷大平安(京都)に1-14と大敗。今春センバツでは初戦で広陵(広島)に0-2で敗れた悔しさを晴らす最後の夏だ。「自分も打てる準備は出来ていますし、みんなも必ず打ってくれます」。1年時からレギュラーで、「坂本勇人2世」と称された男が、世代NO・1遊撃手を証明するときが来た。【鎌田直秀】