来春センバツ出場校の選考資料となる第72回秋季北海道高校野球が開幕した。

開会式では鵡川の阿部柊希主将(2年)が選手宣誓を務めた。同校は昨秋、北海道胆振東部地震で選手寮が被災。まずは、被災した際に励ましてもらった人たちへの感謝からスタート。

「北海道胆振東部地震から1年。私も被災者の1人として震災を経験しました。困難に直面したとき、全国各地からたくさんのご支援と励ましの言葉をいただき、悲しみに陥りそうな被災者の気持ちを奮い立たせ、明日への勇気と希望をいただきました。そのすべてが私たちの活力になり、大好きな野球を続けることができました。ありがとうございました」。

8月には、同校を甲子園に3度導いた佐藤茂富元監督(享年79)が死去。同校野球部の礎を築いた名将が掲げたテーマ「三気野球」も盛り込み、締めくくった。

「日々の感謝の思いを白球にこめ『元気・本気・一気』の全力野球で、すべての人を魅了し、勇気と希望を与えられるような試合をすることを誓います」。

9月26日の抽選で選手宣誓が決まって以降、原案は阿部自身で考え、鬼海将一監督(35)らが手直しして完成。10月に入ってから毎日、寝る前に練習して、この日に備えた。

阿部は「震災のときに支えてくれた方々への感謝の気持ちと、佐藤茂富先生が掲げた三気野球は、どうしても盛り込みたかった。自分としては満点ですが、鬼海監督から見たら、まだまだかな」と振り返った。

11月2日には、札幌市内で、佐藤元監督のお別れの会が行われる。