盛岡大付は3-0で東奥義塾(青森3位)との投手戦を制し、2年連続11度目の4強進出を決めた。0-0の7回裏2死二塁、大会前日に登録変更されてベンチ入りした背番号20の阿部乃■(ないき)内野手(2年)が右中間に先制三塁打を放ち、勝利に貢献した。

代打の切り札が、6回から救援した下手投げの相手エースを一発で仕留めた。初球を振り抜くと打球は右中間を真っ二つ。迷わず三塁を狙い、勢いよく滑り込んだ。「打ったのは外の真っすぐ。引退した先輩のおかげです」と感謝した。

今秋から背番号3でベンチ入りも、9月中旬に腰を痛めて登録メンバーから外れたが、大会直前の再登録に間に合った。この日の早朝練習では佐々木航(3年)が相手エースを想定した下手投げで打撃投手を務め、好感触で打ち込んでいた。その相手エースが救援した時は「きた!」と出番を待っていた。

その名の「ナイキ」はトルコ・エフェス遺跡にある勝利の女神ニケにあやかり命名された。阿部は「準決勝、決勝も強い相手から1打席のチャンスをものにしたチームに貢献したい」と「バットマン」の心意気を示した。【佐々木雄高】

※■は目ヘンに軍