滋賀3位の綾羽が大奮闘した。履正社(大阪)と接戦を演じたが、たび重なるアクシデントもあって最終的にはコールド負けし、来春のセンバツ出場は絶望的だ。

綾羽が夏の甲子園王者に冷や汗をかかせた。0-3の4回、岩崎峻典投手(2年)を攻め立て4得点で逆転。一転して試合のペースをつかんだ。

ただ、エース早津康生(2年)を不運が遅う。5回1死三塁で痛烈な打球を右膝に受け、同点の適時打にされた。中断ののちに続投。「影響はなかった。ベンチに戻ってからは痛かったですけど」(早津)。明らかに勢いが増した履正社打線を止められず、岩崎に勝ち越し満塁弾を浴びた。

さらには6回、先頭で迎えたプロ注目の小深田大地内野手(2年)の打球が右足のつま先を直撃。今度はすぐに続投をあきらめた。2番手が失点を重ねてコールドゲームに持ち込まれた。

小深田の鋭いワンバウンドをまともに受けた早津は「打球が見えなかったです」とがっくり。「強打者が多いチームでも慎重にならず、ストライクゾーンで勝負しようと思っていた。相手が上だった」と力負けを認めた。抜群の制球力が売りだったが、思うような結果を出せなかった。

千代純平監督(30)は「履正社の打者は変化球にもバットが止まるし、パワーがケタ違い。想像以上でした。(満塁弾の)岩崎君が9番を打っているのですから。甲子園で勝つレベルを身をもって知ることができたので、この敗戦は来年につながる。足を絡めて犠打を使って得点することを考えていたが、やっぱり打つパワーをつけないと。根本的な打力ですね」と、さらなる強化を見据えた。