6季連続出場の智弁和歌山は11日、和歌山市内の同校で中谷仁監督(40)をはじめ、練習後の部員もセンバツ開催の可否決定を待った。

日の落ちたグラウンド。届いたのは苦渋の決断だった。中谷監督は「全員に向けてミーティングしました。非常に残念というのが一番です」と声を沈ませた。明るい性格の選手が多くいつもにぎやかなナインだが、この知らせには目に涙を浮かべる選手もいたという。指揮官も「一生に1回のこの年齢でのセンバツ。そういうところを思うと残念」と落胆を隠せなかった。

昨秋の近畿大会ではセンバツ出場のかかった準々決勝で、智弁学園(奈良)に乱打戦の末に、13-17で8強敗退。選出が微妙な状況で、出場を勝ち取った。今秋ドラフト候補の小林樹斗投手、細川凌平内野手(ともに2年)は4季連続で甲子園の土を踏む予定だった。中谷監督は「夏に取り返すチャンスがあるのを願います。今の智弁和歌山の選手たちは、逆境に強くて前向きに取り組める子ばかり。一緒に頑張りたい」と、逆境から教え子たちがはい上がることを信じている。今後の練習は、学校側と相談を重ねて予定を決めていく。