第92回選抜高校野球大会(甲子園)中止決定から一夜明けた12日、3年ぶり13度目出場の予定だった仙台育英(宮城)は、多賀城市内の同校でセンバツで着用予定だった背番号を須江航監督(36)が手渡した。朝9時から30分間のミーティングを行い、同監督から日本高野連の判断や、今後の状況を説明。選手だけでミーティングを重ねたあと、全員参加で“背番号授与式”を実施した。

同監督は「朝に集まった時には今回のことを、どう考えていくかを話しました。彼らは頭では理解しているが、目に涙をためている子もいたので、心は痛い。背番号は彼らが勝ち取った証しなので、胸を張って受け取ってほしい」。背番号4の鈴木誠達内野手(2年)ら、昨秋にはベンチ外だった選手が18人中3人。背番号を付けたイベントなども模索中だ。田中祥都主将(2年)は「今までセンバツに向けて積み重ねてきたものはなくならないもの。夏に向けて全員で競争して、さらにレベルアップ出来るようにしたい。どう成長していくかが大事」と前を向いた。

グラウンドのスコアボードには、選手の発案で「2020 夏 日本一 五輪を超える夏」と目標を掲げ、懸命に士気を高めた。