宮城県高校野球連盟は11日、事務局を置く仙台工(仙台市宮城野区)で理事・運営委員会を行い、新型コロナウイルス感染拡大で中止になった全国高校選手権に代わる「東北地区高校野球宮城大会」(仮称)の開催を発表した。

期間は7月11日~8月1日で楽天生命パーク宮城を含む6球場を使用。連合チームなどを視野に、加盟73校中68チームの出場を想定したトーナメント方式で行う。組み合わせは26日、各校顧問による代理抽選で決定する。

発足70周年を迎えた同県高野連は今季、全加盟校の主将やマネジャーで決めた「感謝の思いを白球に乗せて~頂点を目指し2020をさらに熱く~」をスローガンに掲げる。記者会見で丹野高雄会長(57)は「感染防止に向けてできることは全てやる。力を尽くしたい。元気や勇気が送れる心に残る大会になることを楽しみにしている」とあいさつした。

感染予防を考慮し、開会式は行わない。各球場1日2試合とし、すべて無観客を原則にする。現時点でテレビ中継の予定はないが、ウエブサイト「アマチュア野球 一球速報」の協力を得て各球場の試合経過をリアル配信する。70周年記念プログラムの製作も延期し、大会運営費にあてる。選手ほか、来場の関係者全員に検温と入場申請書の提出を義務付け、体温37・5度以上(平熱より1・5度以上)の場合は入場させないなどの予防対策を講じる。一方でベンチ入り選手20人は試合ごとに入れ替え可能とし、原則1人の記録員も3年生に限り最大3人にするなど、高校最後の大会になる最上級生たちに配慮する。

東北高校野球連盟の理事長も兼任する松本嘉次理事長(52)は「春も夏も中止になってやりきれない思いは多々あるかと思う。(開催方法を)高校球児は分かってくれると思う。リスクはある。すさまじい覚悟を常にもってやらなければ大会運営はできない」と気を引き締めた。【佐々木雄高】