夏の代替大会に出場する全国のドラフト候補を全5回で紹介する。第1回は「西日本編 (上) 」。

最速147キロ右腕・大分商の川瀬堅斗投手(3年)は150キロに向けて追い込み中。ソフトバンク内野手の兄晃と同じく高卒プロ入りを目指す。福岡大大濠の山城航太郎(3年)は最速149キロの投手と遊撃手の二刀流。龍谷大平安(京都)の奥村真大(3年)は、ヤクルト内野手の兄展征とはタイプが異なる右の大型内野手としてプロが熱視線を送る。

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龍谷大平安の4番、奥村は、180センチの大きな体からフルスイングする右のスラッガー。ヤクルトの兄展征(25)の巧みな左打者とはタイプが違う大型内野手だ。新型コロナウイルスの影響で滋賀の実家にいた5月のゴールデンウイーク過ぎ、原田英彦監督(60)が家庭訪問に来た。その時、ハッキリと「プロへいきたい」と夢を口にした。

6月の活動再開後は、練習だけでなく試合にも木のバットで臨む。「もう次のステップに向いている。プロの厳しさは兄を見て分かっている」。高卒でプロ入り7年目の兄は今季右膝手術で出遅れている。そんな兄から夏の全国高校野球選手権大会が中止になった時、励ましの電話をもらい、プロへの思いを強くした。三塁、遊撃を守る大型内野手は京都独自大会でも木製バットで打席に立ち、乾いた快音を響かせてプロのスカウト陣にアピールする。