巨人のV9ナイン、高田繁氏(74)を祖父に持つ、明大中野・高田直人内野手(3年)が代打出場で右前打を放ち、公式戦デビューを飾った。

9-0で迎えた4回裏1死二、三塁から代打桶本怜(れん)が2点タイムリーを放った直後、岡本良雄監督(52)が動いて大柄な高田を代打に指名した。

初球、内角真っすぐを狙い打ち。強い打球があっという間に一、二塁間を抜けた。チャンスを一、三塁に広げる快打こそ、高田の公式戦初打席初安打となった。チームはこのあとも攻撃の手を緩めず、犠飛、長打でさらに2点を追加し4得点。5回コールドで発進した。

ヒーローインタビューに選ばれたのは、高田だった。「代打の初球ですから。狙ってました。今の自分は速い球に振り遅れてしまうのでとにかく思い切りいった」。

祖父の繁さんとは、12日の国士舘との練習試合を観戦しにきたとき会った。「そのとき『最後の大会なんだから、悔いのないよう頑張れ』と励まされました」と言った。

岡本監督は「とにかく体がでかい(179センチ、84キロ)から、ツボにはまれば飛んでいく。長打力には秘めた魅力がある」ものの「守備が課題」。このため、レギュラーはなかなか手にできず、今春も背番号13からのスタートだった。「おじいさんに聞いてみたいことは?」と聞かれた高田は「打撃です」と即答した。

▽高田繁氏(孫の高田直人内野手の代打安打に)「甲子園はないけど(代替)大会を決勝までやってもらえるのはありがたいこと。最後まで思い切って悔いのないように頑張ってほしい」