昨夏県準優勝の駿河総合が8回タイブレークの末、静岡市立を5-4で退けた。浜松開誠館は島田商に6-0で快勝。創部23年目で初の夏4強入りを果たした。両校は2日午前10時から清水庵原球場で準決勝を行い、勝者は草薙球場へ移動。午後2時から決勝という変則ダブルヘッダーに臨む。

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駿河総合の小林麗央(れお)内野手(2年)が勝負を決めた。4-4で迎えた延長8回無死満塁。「自分が決めるつもりでした」。2球目の変化球を左前にはじき返し、サヨナラ勝ち。歓喜の瞬間は「本当にうれしかったです」と、笑顔で振り返った。

2度のミスを帳消しにした。6回は1死から右前打で出塁。だが、4番窪田響捕手(3年)の飛球で飛び出し、併殺となった。小林は「アウトカウントを1つ間違えていました」。延長8回表の守備では、送球ミスが失点に直結。「何とか取り返したかったです」と打撃で名誉挽回した。

準優勝に終わった昨年は1年生で唯一メンバー入りし、県大会決勝はベンチから戦況を見守った。あと1歩で甲子園出場を逃しただけに、今大会に懸ける思いは強い。「先輩を超えることが今年の目標です」と小林。オリックスに今季入団した紅林弘太郎(18)の背番号6を引き継ぎ、攻守の要としてチームを引っ張っている。

目標の県制覇まであと2勝。小林は「1試合でも長く先輩たちと野球がしたい。やってきたことを全て出し切ります」と、表情を引き締めた。【神谷亮磨】