報徳学園の5番不動銀河外野手(3年)が、人生初の満塁本塁打で7回コールド勝ちを引き寄せた。

5点リードで迎えた5回裏1死満塁。真ん中外よりの直球をとらえると、打球は「ゴン!」とバックスクリーンを直撃した。

「バットを少し短く持って、二塁手の頭上を抜くイメージで。高く上がり過ぎたと思ったけど、いいスピンがかかったのかもしれません」。初回は左前へ、先制適時打。この日は3打数3安打5打点の大暴れで、中でも高校通算12号の感触は特別だった。

昨秋は県大会で背番号3だったが、スタメンは地区予選2試合だけ。近畿大会は12番になった。一塁、外野のポジション争いで下級生、同級生に押され、冬場には三塁にも挑戦。そんなこんなで、3年だけで臨む今夏は「背番号5の右翼手」を務める。

オフはスクワット、デッドリフトなど筋力トレーニングに力を入れた。「秋は明石商に勝ったけど、打球の強さは負けていた。近畿大会で負けた天理にも、力強さで負けていた」。以前なら「フェンスにワンバウンドで当たる程度」の当たりがフェンスを越えたのは、その成果だ。

兵庫・洲本市生まれで、名字の「不動」は「親戚に2つあるぐらいで…」と詳しい由来を知らない。名前も「銀河」と雄大だ。姓名のスケールのでかさに、プレーの質も追いついてきた。「ずっと悔しさをバネにやってきました」。新チーム結成時から続く「県内不敗」での引退へ、不動がチームを引っ張る。【加藤裕一】