県北支部敗者復活戦では、今夏4強の福島成蹊が保原に8回コールド勝ちした。

1年生捕手の松本大昂(ひろたか)が2年生投手4人を好リード。さらに2度の好守備で白星に導いた。2点リードの6回表1死二、三塁のピンチを迎えると、「相手ベンチの雰囲気が違っていて、何かあると思った」と察知。4球目に3番手の斎藤朱璃投手に外角の見せ球を要求し、スクイズを阻止した。狙い通りの配球で切り抜け、続く打者は遊ゴロに打ち取った。

さらに点差を広げて一時は4点リードしたが、8回は無死満塁のピンチ。安打と犠飛で2点差とされ、なお2死一、三塁。松本は「ベンチの先輩方から『刺せ』との一言が聞こえた。何としても刺したかった」と、2球目に一塁走者が盗塁を試みると、ストライク送球で再び窮地を救った。チームも流れを取り戻し、同裏に打者9人の猛攻で5点を奪い、勝利を決めた。

昨秋も予選1回戦で敗退。それでも同復活戦で勝ち上がり、第5代表で県大会切符をつかむと、県準優勝で初の東北大会出場を決めた。金子淳監督(44)は「1試合ずつ必死に勝ちをつかんで、県大会出場権をつかみたい」と昨年の旋風再現を狙う。【相沢孔志】