福島商が福島との伝統校対決を制し、県内最多51度目の県大会進出を決めた。「鬼肩」がピンチを救った。7回裏、2点差に迫られなおも2死満塁。エース浅倉優樹(2年)が気温37度の猛暑の中、154球の粘投を続けたが、限界だった。中堅からマウンドに上った小室汰雅(たいが、2年)が、得意のカーブで伊藤歓外野手(2年)を遊ゴロに仕留めた。「浅倉が頑張ってきたので、ここは抑えなきゃと思った」。8、9回も安打を許さず、3時間10分の激闘を締めた。
169センチと小柄で投手の練習はほとんどしていないが最速132キロ。大玉中時代は、福島シニアでプレーしながら陸上部に所属。やり投げに似たジャベリックスローでジュニアオリンピックに出場し、55メートルで全国20位に入った。中3で遠投も90メートル。高校進学時も私立の陸上強豪校から特待生で誘われたが断った。当時、金足農(秋田)が大フィーバーを巻き起こした姿に憧れた。「公立校で決勝まで行ったのが格好良かった。福島の公立で甲子園に行けるとしたら福島商だと思った」と進学を決めた。
3年生中心で臨んだ夏の大会では18番をつけベンチ入り。福島工との4回戦では無死二塁で代走出場も、ゴロの判断ミスでアウトになった。「3年生に申し訳なかった」。悔しさを糧に、決勝では福島工にリベンジし、県北王者として県大会に乗り込むつもりだ。【野上伸悟】

