幸運のだるまで初戦突破。札幌地区は、札幌南が札幌清田を5-3の逆転で下した。2点を追う4回、同点に追いついた後の2死満塁で3番水野敬太遊撃手(1年)が右前2点適時打を放ち勝ち越した。「真ん中低めのスライダーにうまく反応できた。うれしかった」と喜んだ。

だるまが快打を後押しした? 3安打2打点の水野は「(ご利益が)ありましたね」と笑顔で振り返る。昨秋、チームは野球部の倉庫に眠っていた左目だけが入っただるまを発掘した。試合にはいつも帯同させ、この日の朝は水野が監督の車から霊験あらたかな“チームメート”を運び出していた。もちろん今夏、札幌日大との地区代表決定戦に、1年生で唯一先発出場して敗れた悔しさを糧に重ねた努力も土台にあった。

3失点も粘って完投したエース左腕、桐田悠司(2年)も「安心感がある」とだるまに絶対の信頼を置く。右目は甲子園切符をつかんだ時に入れると決めている。次戦は13日に札幌光星との3回戦。水野は「自然体で臨みたい」。甲子園のアルプススタンドにだるまを連れて行くためにも、まずは16年以来の秋全道出場を目指す。【浅水友輝】