3月のセンバツ選出が濃厚な県岐阜商が22日、岐阜市内の同校で練習を行い、鍛治舎巧監督(69)が頂点への思いを語った。昨年も出場予定だったがコロナ禍で苦渋の中止になった。「捲土(けんど)重来です。やっと春にまた、甲子園の土を踏めるとなれば、いろんな思いを一気にぶつけて戦いたい」と前を向いた。

春夏通算で甲子園87勝は公立校史上最多。18年に母校監督に就任し、昨夏の甲子園交流試合に続いて今春も出場が有力だ。1925年の野球部創部から100周年も近い。「それまでに何とか100勝したい。あと13勝。常に日本一を狙えるチームを作っていかないといけない」と語気を強めた。秀岳館(熊本)を率いた16、17年に3季連続ベスト4に導いた。甲子園で勝つ野球を追い求める。

投打の柱でプロ注目の2人も意気込む。最速144キロで左腕エースの野崎慎裕投手(2年)が「チームとしては甲子園優勝です。チームを勝たせられる投手になりたい」と話せば、主将で4番の高木翔斗捕手(2年)も「(目標は)優勝ですが、目の前の1戦1戦を勝って、一戦必勝で勝ちに行きたい」と気合十分。高校16本塁打で広角に打てる打撃を見せたいところだ。

高校球界屈指の名門校は春3度、夏1度優勝を誇るがいずれも戦前だ。昨秋の東海大会は準優勝。鍛治舎監督は「精度を高くすること。ミート、送球、コントロール。すべての精度アップで、しっかり投げる、しっかり打てる。そういうチームにしたい」と続けた。1週間後の29日に全出場校が決定。昨夏の甲子園交流試合にも出場したが、1年越しに開催される真剣勝負のトーナメントを心待ちにする。