進学校としても知られる都立の小山台は、3回戦で姿を消した。森村輝捕手(3年)は4打数2安打、盗塁も刺して強肩強打をアピールした。「大会を通じて、課題が多く見つかりました。守備面と、打線はもっと打たないといけない。(夏へ)優勝を目指せる能力をつけられるように、頑張りたい」と話した。

コンディションに不安のあったエース木暮瞬哉投手(3年)はベンチスタートで、松川侑聖投手(2年)が先発。しかし立ち上がりに3連打を許し、初回に4失点を喫した。

打線はセンバツ8強の東海大菅生、鈴木泰成投手(2年)に4回まで無安打に抑えられたが、5回に先頭で4番の森村が中前打を放って口火を切った。7回以降は毎回安打を放ち、8回1死二、三塁、西田宗弥内野手(3年)の右前打で1点を奪った。計7安打を放ち、福嶋正信監督は「(対戦を)楽しんでこいと言った。まさか7安打も打つとは思わなかった。135キロを打つのは大変。よく打てました」と選手をたたえた。

都立のため新型コロナウイルスの影響を受け、練習が再開できたのは3月下旬。チーム練習はほとんどできず「よく練習しないで、あんな球を打った」と監督は話した。

正捕手の森村は、けが人の兼ね合いもありチーム事情のため、この日は「4番・三塁手」でスタメン出場。公式戦では初の三塁の守備を経験し、2回からマスクをかぶった。二塁送球は、練習で最速1秒91をマークしている強肩で、さっそく2回1死で盗塁を刺した。木暮とのバッテリーで2回以降は走者を出しながら粘り強く戦った。「打者の打ち気を感じたので、みせ球とか広く使わないと打ち取れないと思った」と振り返った。

野球部の練習が制限されていた間は、自宅前で素振りや河川敷でのランニング、バッティングセンターに通うなど調整を続けてきた。コロナ禍のため夏に向けても、都立校は練習が制限される見込みだ。厳しい環境となるが「目標は高く持ってやっていきたい」と意気込んだ。