<春季全道高校野球地区予選:北海5-0札幌南>◇札幌地区Aブロック2回戦◇10日◇札幌円山

今春センバツに出場した北海が初戦を突破した。最速148キロのプロ注目左腕エース木村大成(3年)が先発。9回1安打14奪三振で完封し、勝利に導いた。この日の最速は視察したDeNAスカウトのスピードガンで147キロ。「今日は8割方、コントロール重視で入った。序盤は力が入って高めに浮いてしまったが、徐々に修正できたことは収穫」と振り返った。

スタンドには日本ハム、DeNAなど7球団8人のスカウトが集結。日本ハムの白井康勝スカウト(52)は「立ち上がりは抜けるボールもあったが。しっかり立て直していた。ストレートも含め、甲子園のときより上がっている。夏までに、どこまで伸びるか楽しみ」と話した。

センバツでは初戦で神戸国際大付(兵庫)にサヨナラ負けを喫した。4回まで無安打無失点投球も5回以降に11被安打。8三振を奪ったが、9回1/3で3失点に終わった。夏に向けさらなる進化を目指し、北海道に戻ってからは「体重を増やしながら切れを出す取り組みを続けてきた」。食事と筋力トレーニングで体重を3キロ以上増やし79・5キロに。ダッシュや、90センチ程度の台にジャンプして飛び乗るトレーニングなど、瞬発系の練習にも精力的に取り組んできた。4日の紅白戦では、複数球団のプロスカウトの前で、自己最速を3キロ上回る148キロをマークするなど、成長を続けている。

この日は9回118球を投げ、5回以外毎回の14三振を奪い、安打は6回の二塁内野安打1本のみ。外野への打球はわずか2本、2回以降は二塁を踏ませない、安定した投球を披露した。「センバツでは5回以降に疲れが出たが、きょうは疲労を感じないで中盤以降も強い球を投げることができたのは良かった」と手応えを口にした。

実家のある北広島市では、日本ハムのボールパークが建設中。センバツ後、帰省した際に、工事現場が見え「少しずつ姿が変わっていくのが見えて、いつかあそこで投げてみたいという気持ちになる」。大きな夢を抱きつつ、まずは秋春連続の北海道王座を狙う。【永野高輔】