厚木(神奈川)が「データサイエンス」で16強入りを目指す。昨年から、選手7人とマネジャー2人で「研究班」を設けるなど、科学的な動作解析を導入。自身も研究班に所属する杉山史浩主将(3年)は「感覚ではなく明確な数字で見られるのがいい」と効果を実感する。

昨秋は、100分の1秒単位まで測れる光電管センサーを用い「減速しない」スライディングを研究。2週間に1度の計測を続け、3カ月弱で全体の平均タイムを約0・1秒縮めた。「これは距離にすると1メートル近い数字です」と胸を張る。

さらに、スイングセンサーや打者用スピードガンなどの計測機器も活用する。杉山のスイングスピードは2年間で時速20キロ以上、他メンバーも、昨秋から平均10キロ向上した。春の地区大会では3試合で23得点を挙げ、新チーム初のコールド勝ちも経験。熊倉周平監督(35)は「選手が競争できている」とうなずく。

杉山は神奈川176チームの代表として選手宣誓も務める。「『制限された』ではなく『制限があったからこそ』夏がある。運営や保護者など、今年だからこその感謝を伝えたい」。14日に迎える初戦の相手は鶴嶺。一戦必勝を誓った。【勝部晃多】