旭川明成・川口颯希投手(3年)が二刀流生活に終止符を打った。背番号1を背負い7回2死二塁のピンチで登板。後続を断ち、1回1/3を無安打無失点と好投し、高校野球をまっとうした。「春は10番。この夏はみんなが推薦してくれて1番を背負えた。こんなにうれしいことはない。仲間に感謝しかありません」と涙を流した。

東川小3年で野球、同4年で距離スキーを始めた。東川中から高校に進学する際、どちらを選ぶか迷った末「野球もスキーも楽しい。どちらも続けたかった」。スキーと野球の両立を認めてくれた旭川明成に進学。夏場は野球、冬場は同校に距離スキー部がないため、東川高スキー部と合同で練習に励み、3月の全日本ジュニア選手権10キロフリーで10位に入った。

甲子園の夢は終わったが、もう1つの目標が残っている。1、2年と連続で全国高校スキーに出場しており、3年連続の大舞台を見据える。昨年のクラシカル20位が最高成績。「まずは3年連続で出て今度は全国の上位を目指したい。ここからはスキー一本に絞って一気に力をつける」。大学もスキーで東京都内の私立大に進学予定。最後の冬に結果を出し、大学での飛躍につなげる。【永野高輔】