プロ注目右腕、旭川実・田中楓基投手(3年)の夏が終わった。先発し5回1/3 6失点で一度右翼に回った。「自分でしっかり投げられず2年生に託すことになってしまい、申し訳なかった」。8回から再登板も9回に再び1失点。延長10回まで投げ、ベンチに下がった。タイブレークでは伝令に走り仲間を鼓舞。「チームに流れを与えられなかった。でも出し切ったので悔いはない」と目を潤ませた。

NPB9球団のスカウトが見守る中、自己最速タイとなる148キロを記録も、粘り強い帯広大谷打線を抑えることができなかった。「初回に直球を狙っているのが分かったので、2回からは変化球を多めにした。バッテリーで話しながら配球した。満足いく投球はしたつもり。打たれたのは相手の力が上だったから」と言い訳はしなかった。

昨秋は全道決勝で北海に0-1で敗れ、春は地区予選で敗退。最後の夏は北大会1回戦で散った。聖地に一度も立つことができず「甲子園は遠いなと感じた。これからは今日経験したことを後輩に伝えサポートしたい」。自身の夢についても口にした。「声がかかるか分からないが、上のステージで活躍するには、もっと波を少なくしないと」。敗戦で得た教訓を胸に刻み込んだ。【永野高輔】

▽旭川実・岡本大輔監督(48) 限界を超えた戦いの中、選手はよく頑張ってくれた。田中楓は序盤に点を取られリズムに乗れなかったが、これが夏なのかと思った。

▽7回に代打で左越え2ランを放った旭川実・田中斗 しっかり下半身を使って打つことができた。練習から気をつけていたことを試合で出せた。