第2シードの二松学舎大付は、今秋ドラフト候補に挙がる最速146キロ左腕、秋山正雲投手(3年)の3安打完封で初戦を突破した。

ピンチでギアを上げた。2-0の7回1死満塁、秋山は「スコアリングポジションにランナー。気持ちを上げようと思いました」。と、相手の6番打者をネット裏のスカウトのガンでこの日最速となる141キロで空振り三振。「シャー!」と叫んだ。次打者にも140キロ台を連発。最後は高め140キロで空を切らせた。

打線に初戦の硬さもあったか、なかなか援護がなかった。初回1死満塁、4回1死二、三塁と好機は続くが、1本が出ない。それでも「いつか点を取ってくれると、野手を信じました」と動じなかった。序盤はボール先行が目立ったが、ほぼ真っすぐ1本で向かった。相手が真っすぐを狙ってくることを想定し、あえて、その球で勝負。2巡目から変化球を増やすことで、的を絞らせなかった。すると5回、先頭で自ら左前打を放ち、チャンスメーク。2死満塁から、4番関遼輔主将(3年)の先制2点適時打が飛び出した。結局、9回118球を投げきり、散発3安打完封勝利。三振は2ケタ10個を奪った。

巨人榑松スカウト統括は「真っすぐは力があり、右打者の内への角度がいい。タイプ的にも“大江2世”ですね」と、二松学舎大付出身で同じ左腕の巨人大江になぞらえた。先輩になぞらえられることに、秋山は「うれしいです」と素直に喜んでいた。