3大会連続の甲子園を狙う旭川大高が滝川を9-1の7回コールドで下し、4大会連続の4強入りを果たした。勝ち越し打の2番桑田翔叶左翼手(3年)ら、名前に「翔」が入る2~5番打者が計6安打6打点。地区から4試合連続コールド勝ちに導いた。

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旭川大高の「翔」たちがグラウンドを駆け回った。6点リードの6回2死二、三塁、4番菊地大翔(だいと)が3本目の安打となる左前適時打。「自分の中ではボールが見えている」。地区予選から4戦連続となるコールド勝ちをたぐり寄せた。

名前に「翔」の漢字を使うベンチ入りメンバーが7人。この日は6人が出場し、先発で2番桑田、3番富田翔太、4番菊地、5番花田海翔(かいと)まで、3年生の4人が名を連ねた。文字、読み方はバラバラだが「並んでいて、すごいおもしろい」と、かつて選手間で話題になったことという。

この日、「翔」たちがチーム9安打のうち6本を記録。1回に富田がチーム打撃の内野ゴロで同点に追いつき、2回に桑田が勝ち越し打、富田が2点適時打で中押しした。打点も計6をマークし、花田も1安打2得点など攻撃の要所で貢献した。さらに、2年生右腕の池田翔哉が2番手で3回無失点の好投だった。

明治安田生命の調べによると、平成30年間で最も多く年別ランキング1位を獲得した男の子の名前は「大翔」。「ひろと」など読み方は何通りかあるが、4番菊地が同じ字を書く。平成の初期に多かったのは3番富田の「翔太」だ。「大きく羽ばたく」の願いが込められたという菊地は「とても気に入っています」と笑顔で話した。

3大会連続制覇に向け、旭川勢で唯一のベスト4入り。北北海道最多10度目の甲子園を目指し、24日の準決勝は帯広大谷と対戦する。「中学3年(18年)の時の甲子園をみていて、自分も行きたいと思って選んだ。隙のない野球をしたい」と菊地。翔んで甲子園-、あと2勝だ。【山崎純一】

◆名前に「翔」 明治安田生命が調査、公表している「生まれ年別名前ランキング」で、「翔」が82年に初めて男の子のトップ10に入って以来、「翔」の入った名前が20年まで10位以内に入っている。88~91年の4年連続を含め「翔太」が7度の1位、「大翔」が07~11年の5年連続を含む6度の1位。76年刊行の司馬遼太郎の小説「翔ぶが如く」、映画「ハイティーン・ブギ」(82年公開)で近藤真彦が主人公・藤丸翔を演じたことなどが影響しているとされる。

▽24日の準決勝進出を決めた旭川大高・端場雅治監督(52) 攻撃の部分でやりたいことがうまくはまらなかった。全部が全部うまくはいかないですけど。(準決勝までの)この5日間をどう過ごすか。