乙訓の勢いは衰えない。3回戦で龍谷大平安を破り、秋の京都府大会決勝のリベンジを果たした乙訓。その勢いのまま、同志社を圧倒した。

龍谷大平安戦で164球を投げたエース北見隆侑(3年)は温存。この日は左の好投手石田連己(れんき=3年)が好投した。「今日はあまり良くなかった。もっとできると思う」と市川靖久監督(38)は話したが、6回まで1失点、6奪三振。7回に連打を浴びて2失点も、この回を投げきった。「冬を越え、真っすぐの強さが増した。優勝するには北見だけではしんどい。もう1試合くらいは先発してもらう」と市川監督は回復した北見との2枚看板として期待した。打っては4番星田大輔内野手(3年)の2本の長打を含む猛打賞など、12安打で9得点を奪った。

秋に負けた龍谷大平安と春に負けた京都国際に勝つことを目指して夏に挑んだ。谷口大空(そら)主将は「夏で両方ともに勝って甲子園、という思いがあった。龍谷大平安に勝った勢いで自信を持ってできた」。あくまで目の前の相手に集中すると谷口は気を引き締めるが、京都国際への思いは強い。

目標は「甲子園ベスト8」と自分たちの目指す場所は明確。同校はまだ夏の甲子園出場を果たしていないが、今夏こそ歴史の1ページを作る。【岡崎空日南太】