帯広農は14-4の7回コールドで滝川西を下し、前回優勝の82年以来、39年ぶりの決勝進出を果たした。初回に先発全員得点の9点を奪い、大勝した。決勝は、35年ぶりの十勝地区決戦、帯広大谷戦に挑む。

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帯広農が初回からたたみかけ、序盤で試合の流れを決めた。先発全員の15安打。チャンスでしっかり加点し、先発全員の14得点で大勝につなげた。前田康晴監督(45)は「こんなに点を取ったのは見たことがない。とにかく弱気になるなと伝えた。子どもたちが積極的にバットを振ってくれた」と喜んだ。

1回1死満塁で、渋谷の右前2点適時打の間に、相手守備の乱れも突き、一塁走者佐伯まで生還し3点先制した。渋谷は「打ったのは真っすぐ。中5日の間に、ボールになる相手投手の、外のスライダーの見極めをしっかりしようと心掛けた。成果が出せた」。この回、打者13人の猛攻。2番村中から9者連続出塁&生還で9点をもぎ取った。

4回2死二、三塁では5月に左手首の靱帯(じんたい)を負傷し、この夏からメンバーに復帰した佐藤敦が中前の適時2点適時打。「自分は8番。他にいい打者がたくさんいるので、僕が打てばつながると思った」と下位打線ながら、2安打4打点と気を吐いた。

地区から5戦連続2ケタ安打、チーム打率4割2厘の高打率で、82年以来の決勝進出。昨夏は甲子園交流試合に出場し勝利も、この日先制打の渋谷は、ベンチ入りしたが出番なし。佐藤敦はメンバーから漏れ、スタンド応援だった。2人は「何としても、もう1度、甲子園にいきたい」と声をそろえた。聖地でのプレーを果たすため、最後まで全力で戦い抜く。【永野高輔】