修徳は10回裏2死満塁で佐藤大空外野手(2年)が左翼へサヨナラ満塁本塁打を放ち決着をつけた。

3大会連続の決勝進出を目指す小山台と、エース床枝魁斗投手(3年)擁する修徳が、息詰まる投手戦を展開した。小山台は継投。先発の松川侑聖投手(2年)が3回まで2安打3三振と上々の立ち上がりを見せると、4回から2番手佐藤克哉投手(3年)にスイッチ。その佐藤も6回途中まで1安打ピッチング。6回1死一、二塁からエース小暮瞬哉投手(3年)がマウンドに立った。

試合が動いたのは延長10回。まず小山台の攻撃が始まる前に雷のために中断に入る。再開後、床枝が四球を連発してピンチを背負い、1死一、二塁で再度中断。床枝が中断後も崩れずに無失点を守ると、その裏2死一、二塁で床枝はショートゴロ。ここで小山台内野陣に失策が出て2死満塁。最後は4番の佐藤大空外野手(2年)が木暮の初球118キロのスライダーを左翼へ運び、サヨナラ満塁本塁打で決着をつけた。

試合後の木暮は「打たれたのはスライダーです。前の打席ではいいところに決まって打ち取ったんですが、あの場面では甘く入り腕を伸ばせば届くところに行ってしまった。力は出し切りました。ただ、味方のエラーを助けてやることができなかったのは心残りです。高校生活でカットボールが上達しました。心に決めている大学に行ければ野球を続けたいと思っています。うまく切り替えられるか分かりませんが、ここから勉強をしっかりやりたいです」と言い、冷静な顔つきで高校野球を締めくくった。今後は慶大での6大学野球を目指し勉強に励む。福島正信監督(65)は「厳しいブロックに入りましたが、ここまで選手はよくやりました。エラーが出たところでタイムをかけたかったんですが、回数制限があってそれができなかった。修徳さんの床枝君を打てなかった、相手が上でしたね。それでも勉強と両立しながらよくやったと思います」と総括した。

勝った修徳は準決勝で春季大会を制している関東第一に挑む。10回裏の場面で、木暮をとらえた佐藤は非常に落ち着いた受け答え。「スライダーを打ちました。前の打席で泳がされていましたし、木暮さんはスライダーがいいということだったのでスライダーを頭に入れて打席に入りました。しっかりとらえることができました」。

また延長10回を投げ15奪三振で小山台打線を完封した床枝は「今日は頭が突っ込みすぎる部分をしっかり修正して投げることができました。三振の数はそれほど意識していませんでした。今日はスライダーが良かったと思います。僕たちは関東第一、二松学舎を倒すためにやってきて、次は関東第一さんです。ようやく土俵に立てました」と言い、1日の準決勝へ気持ちを高めていた。

修徳の荒井高志監督(36)は東京ドームでの関東第一との準決勝を念頭に「素晴らしい環境で関東第一さんとやらせてもらう。勝ちたい」と言った。