阪神が今秋ドラフト1位候補として最速152キロ右腕の市和歌山・小園健太投手(3年)に高知・森木大智投手(3年)と「双璧」の評価を与える。16日、和歌山市内の同校で担当の渡辺スカウトが面談に臨み、言葉を交わした。10月11日のドラフト会議に向けて最上位の絞り込みを進める。

かねて1位候補に位置づけていた最速154キロ右腕の森木と並ぶのが小園だ。この日は阪神と接触。小園は「地元ですし、小さいときからテレビで見ていた球団」と話した。3月のセンバツは本拠地にする甲子園で登板。県岐阜商戦で完封勝利を挙げた。夏の甲子園こそ逃したが、速球とカットボールやツーシームを駆使する投球の完成度は、高校生でNO・1だろう。

阪神は14日に高知市内で森木と面談を実施。2日後のこの日は小園と対面し、性格や野球観などを把握したとみられる。小園は12球団からの指名を待つが、阪神戦もチェック。「西勇輝投手の試合を見ています。マウンドさばきですね。マウンドでの表情や立ち方を参考にさせてもらっています」と明かす。10月11日のドラフト会議まで1カ月を切り「毎日、すごく緊張というか、ドキドキの日々を過ごしているので早く来てほしい」と思いを語った。

矢野阪神は首位を快走するなか、来季の戦力構想を練る。小園や森木だけではない。左腕投手も補強ポイントで、最速151キロの関学大・黒原拓未投手(4年=智弁和歌山)や150キロの西日本工大・隅田知一郎投手(4年=波佐見)も最上位候補だ。情報収集を重ね“恋人”を思い定める。

◆小園健太(こぞの・けんた)2003年(平15)4月9日、大阪・貝塚市生まれ。小学1年からR・I・C・Aで軟式野球を開始。貝塚一中では貝塚ヤングに所属し、全国制覇。市和歌山では1年春からベンチ入り。特技は書道、料理。好きな言葉は「エースたるもの」。184センチ、90キロ。右投げ右打ち。

○…今秋ドラフト候補で高校通算43本塁打の松川虎生(こう)捕手(3年)も阪神と面談に臨んだ。「1カ月を切り、いい緊張感がある。まだまだ練習しないといけない」。祖父が虎党で、優勝した03年に生まれたことから、虎生と命名された。松川は特定球団のファンではないが「お話しさせていただいて強く印象を持ちました」と話した。目標の捕手は阪神梅野だ。「ストッピングやキャッチングを見て学んでいます」と明かした。この日は小園とそれぞれ、DeNA、日本ハムとも面談した。

▽日本ハム林スカウト(小園と面談)「自分の感覚をしっかり持っている。ツーシームが夏の大会で少ないと感じた。(会話のなかで)しっかり自分の考えを伝えてくれた」