大阪桐蔭が13安打10得点の猛攻で和歌山東を下し、4年ぶり4度目の優勝を決めた。

1回に2本の適時打などで3点を先制し、序盤で6点をリード。投げては左腕先発の川井泰志投手ら2年生3人の継投で1失点にとどめた。来年3月のセンバツ出場は決定的。明治神宮大会に出場し、21日に北信越代表の敦賀気比(福井)と初戦を迎える。

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大阪桐蔭が「競争力」で4年ぶりに秋の近畿で頂点に立った。猛打が際立つ大勝は、2年生トリオの継投が導いた。今年初先発の川井は立ち上がりに踏ん張りどころを迎えた。1回1死二塁。速球やスライダーを丁寧に投げて主軸を投ゴロ、二飛に抑えた。

5回まで7奪三振の1失点と好投。「秋に入って、何もしていなかった。先発の仕事をできた」。決勝の先発を言い渡され、武者震いした。前日30日の準決勝で前田悠伍投手が7回1失点。同じ左腕の1年生左腕は今秋、大活躍してきた。「自分も負けずにやっていかないといけない」。後輩の躍動は発奮材料だった。

甲子園8度の優勝を誇る西谷浩一監督(52)は30、31日の先発を迷っていた。前田、川井の順にしたのは狙いがある。「前田が先に投げて勝てれば上級生に火がつくかな。どんな投球をしてくれるか」。名将の思惑通りだった。6回から登板した背番号1の別所孝亮投手は2回無失点で、川原嗣貴投手につないだ。188センチ右腕は8回に2者連続で内角速球の見逃し三振。2年生の意地が光った。

和歌山東との決戦前、ナインは「気持ちの面で束になってくるチーム。それ以上の気持ちを持って泥臭くガムシャラにやろう」と言い合った。3月のセンバツは初戦敗退。夏の甲子園も2回戦で消えた。「センバツに出ても周りから褒められない。日本一にならないと褒めてくれない」。川井も胸に秘める、指揮官の言葉だ。「競争してもらって、太い柱に誰がなるのがいいのか」と西谷監督。選手を競わせる用兵で、頂点に押し上げた。【酒井俊作】