東洋大姫路(兵庫)は野球部の「改革」を推し進める。4日、姫路市内の同校で、22年3月限りで勇退する藤田明彦監督(64)が会見を行った。後任は、同年4月1日付で、履正社(大阪)の岡田龍生監督(60)が就く。あわせて発表された。これまで春夏通算19度、甲子園に出場した名門校は、19年夏の優勝監督を招請する異例の人事を断行する。
同校は、藤田監督が定年による任期満了で退任が決まると、後任人事に着手した。会見に同席した大森茂樹校長(68)が明かす。
「(候補に)岡田監督の名前も出た。『岡田監督になっていただくことはまず、ないだろう』とOBの皆さんに言われました」
同校は東洋大OBが指揮を執るのが慣例だった。岡田監督は同校を卒業したが、日体大に進んでいた。これまでの条件なら合致しないが同校は理想の指導者だと判断し、東洋大を通じて打診。校長も就任を直談判したという。
大森校長は「藤田監督の後はたいへん、荷が重いけれども何とか姫路をバックアップしていきたい、と言っていただいたのがキッカケです」と振り返る。岡田監督も履正社で定年を迎えるタイミングだった。後任の指揮官として白羽の矢を立てた。
同校は77年夏の甲子園で優勝したが、11年夏を最後に聖地から遠ざかる。伝統を継ぎつつ、強化に入っている。来年春にはグラウンドに隣接する土地に室内練習場が完成する方向でトレーニングルームなども併設予定。LED照明の設置や学校寮の充実など、練習環境の整備を進めている。
藤田監督は伝統の守り中心の野球で強化し、今秋は近畿大会8強入り。来年3月のセンバツは候補校として名を連ねる。持ち前の守備面に、岡田イズムの攻撃的な野球をスパイスとして効かせるシナリオがある。
大森校長は「本校の伝統は守りの野球。なかなか攻撃力が強くありませんでした。岡田監督は昔の池田高校の蔦監督のように『攻めダルマ』のような攻撃的野球をされていました。だからこそ、これからの全国を取るためには守備力や攻撃力、両方あいまって初めて、これから出ていくんだと。伝統の上に岡田監督の攻撃的な野球です」と続けた。
藤田監督は言う。「球児には頂点を目指して日々、精進してほしい。野球を愛してほしい」。兵庫は秋季大会優勝の社、神戸学院大付や神戸国際大付、明石商など強豪がひしめく。名門校のさらなる進化へ。歩みを止めない。【酒井俊作】

