離島勢として初めて秋の鹿児島大会を制した県立の大島が11-7の逆転勝ちで有田工(佐賀2位)を下し初優勝に王手をかけた。3完投で467球を投げていたプロ注目の最速146キロ左腕、大野稼頭央投手(2年)は1週間500球以内の球数制限の影響で登板せず、今大会初めて「1番中堅」で4打数1安打1打点1得点とバットでけん引した。
大野は勝利をセンターで見届けてガッツポーズで喜び「神宮に行く目標に1歩近づけて良かった」とかみしめ、優勝チームが出場できる明治神宮大会(20日開幕)へ思いをはせた。
4-7で迎えた6回に執念で逆転劇を呼び込んだ。1死二、三塁で「後ろにつなぐ意識でした」としぶとく右翼に犠飛を飛ばして2点差。大野の一打が口火となり、怒濤(どとう)の4連打など打者一巡で5点をとって試合をひっくり返した。2点を追った1回もチーム初安打から生還するなどリードオフマンの役目を果たした。
先発マウンドに上がった正三塁手の前山は1回0/3で降板。最大5点差をつけられ、コールド敗退がちらつき始めたが、2回途中から2番手で最後までロングリリーフした主将の武田涼雅内野手(2年)が130キロに満たない直球とスライダーを軸になんとか踏ん張り、大野は「武田には助けられてきたので助けたかった」と発奮。武田も「大野が投げない中で勝てたことは成長。自信になった」と手応えを得た。
大野は12日の決勝で登板したとしても、33球しか投げられない。それでも「勝負する場面で登板があるなら、残った球数を投げチームのためになりたい」と必勝を期した。【菊川光一】

