第94回選抜高校野球大会(22年3月18日開幕、甲子園)の21世紀枠候補9校が10日、日本高野連から発表され、中国地区からは倉吉総合産(鳥取)が選ばれた。

倉吉総合産は、今秋の県大会で準優勝。中国大会では初戦で同大会を制した広陵に0-6で屈したが、粘り強い戦いをみせた。

同校は県中部地区の県立専門高校として工業、商業、家庭の3学科を設置。地元産業に貢献できる生徒の育成に取り組んでいる。授業の一環として、倉吉市内の中心施設でのイルミネーション設置作業や、地元企業と連携しての商品開発なども行っている。野球部員も所属する学科での資格、検定の取得を目指しながら、部活との両立を目指している。

学校は2003年(平15)に倉吉産と倉吉工の2校が統合され発足。21年度の生徒数は男女合わせて422人で、野球部にはマネジャー3人を含め29人が所属している。

この日の日本高野連の発表に、定常弘顕監督(42)は「子供たちへの野球普及活動を認めていただけたのが、本当にうれしいです」と声を弾ませた。倉吉市の野球人口の減少に強い危機感を抱き、部員たちと地元の幼稚園、保育園などを回る活動を続けてきた。柔らかいボールを使い、一緒に投げる、打つ、捕ることで交流。「子供たちが野球に興味を持ってくれることを願っての活動です。今回、選んでいただけたのは、歴代の生徒たちがそういった取り組みを続けてくれたから。今の部員には『先輩からの贈り物だよ』と伝えます」と監督は語った。