大阪桐蔭・西谷浩一監督(52)が、歴代の教え子への感謝をあらためて語った。相手校の広島商の新型コロナウイルス禍による辞退で2回戦が不戦勝になり、PL学園(大阪)の中村順司元監督(75)の持つ歴代2位の甲子園春夏通算58勝に肩を並べた。

甲子園初勝利は、中日平田、元巨人辻内、巨人中田らと出場した05年夏の1回戦・春日部共栄(埼玉)戦。「私の勝利数の感覚はありません。歴代のOBが積み重ねてくれた数字。感謝しています」と、目の前の1勝を目指して必死に戦った教え子を思い起こした。

勝利数で並んだ中村元監督には、特別な思い入れがある。大阪桐蔭コーチの時代から大阪の夏、秋、春でしのぎを削り、背中を追い続けた存在だった。甲子園を目前にしながらも、最後はPL学園の底力に屈し、肩を落として球場を去った悔しい夏が何度もあった。そういう思いの蓄積が、平成以降は最強といわれる今につながる。

甲子園の勝利数が同じになっても「中村監督は大尊敬の監督さん。どうやってPLを倒そうかと思ってやってきた。PL学園も大きな目標でしたが、中村監督も大きな目標。監督として並んだ気持ちはない。いつか中村監督のような監督になりたい。そういう思いをずっと持っていますので、努力していきたいです」と、変わらず大きな目標であることを明かした。

また戦わずして甲子園を去る広島商には「まずは選手のみなさんの健康の回復を祈ります。(相手校の)思いを背負って戦っていきたい」と相手の無念を思いやった。

4年ぶりの春の頂点を目指す道のりに、予期せぬ出来事が起きた。星子天真(てんま)主将(3年)は「(不戦勝は)思ってもみなかったこと。試合ができなくなったと聞いて、広島商業さんの思いも背負って戦わないといけないなとみんなで話しています」と、コロナ禍で活躍の場を失った広島商ナインを思った。負けられない思いが、いっそう強くなった。【堀まどか】