浦和学院が「超攻撃型野球」のフルスイングで九州国際大付を下し、4強入りした。

決めたのは4番・鍋倉。3-3で迎えた8回1死一、二塁、カウント2-2から内角高めの直球を引きつけて打ち返し、打球は右翼ポールを巻いてスタンドに飛び込んだ。決勝3ランに「気持ちよかったです。特別なホームラン。一生残るものなのでうれしい」。視線を一身に浴びながらダイヤモンドを1周した。

ここまでの3試合で計4発。昨秋から就任した森大監督(31)は、昨夏の甲子園や昨秋の明治神宮大会で、この日対戦した九州国際大付など強豪校の、バットを振り切る打線の強さを目の当たりにした。相手が脅威に感じるフルスイングに加えて「心身共にアグレッシブにいこう。心も攻撃的にいこう」という意味も込め、「超攻撃型野球」というテーマを設定。失敗を恐れず、空振り三振はOK。だから選手は迷わずバットを振れる。鍋倉は「冬に強化した打撃が出せたのでめちゃくちゃうれしい」と胸を張った。

4番打者は冬の期間、監督が“冬眠”と称して取り組んだ睡眠時間の確保や体作りで、体重が10キロ増の93キロとなった。今までの私服は入らなくなったが、パワーアップで打球の飛距離は伸びた。「チームが勝つことを優先して、自分の打撃をしたい。全国優勝を掲げて臨みたい」。太くたくましい腕で、新生浦学ナインを頂点へ連れて行く。【保坂恭子】