浦和学院(埼玉)は継投策で臨んだが、近江打線を抑えきれなかった。

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初戦から3試合連続で先発していたエース宮城誇南(こなん)投手(3年)は、当初から登板する予定はなし。他の投手と比べてコンディション調整が遅れていたこともあり、4連投はプランになかった。森大監督(31)は「決勝までいっても4投目(準決勝)はさせないと決めていた。宮城に関しては投げさせないと初めから決めていたので『他の投手で頑張るんだぞ』と試合の準備をさせていた」と明かした。

準々決勝・九州国際大付(福岡)戦のあと、夜のミーティングで監督から「宮城は使わない。先発は浅田で、この試合を勝つ」と選手に伝えられた。

今大会初先発の浅田康成(こうせい)投手(3年)は、落ち着いた投球で4回を被安打4の1失点。「先発で投げて決勝につなげるという思いだった。真っすぐの質はよかったんですが、後半から変化球を狙われて、調子はよくなかった」と話した。

5回途中からは遊撃手でスタメン出場した金田優太内野手(3年)がマウンドへ。力のある直球を主体に組み立てたが、2-2で迎えた延長10回1死一、二塁で内角に入った101キロのカーブを近江・大橋大翔捕手(3年)にスタンドへ運ばれた。「実力が足りなくて、完全に力負けしてしまった」と反省していた。

サヨナラ本塁打を打たれた後、ホームベース付近に残された大橋のバットを拾ったのは金田だった。整列後には、近江・山田陽翔投手(3年)に何人もの浦和学院の選手が声をかけていた。金田は「気持ちの強い投手で、足にボールが当たっても最後まで投げきる。気持ちの強さは一番。投手としても本当にどんな状況でも、どんな球でも投げられる器用な投手だと思いました」と明かした。

昨夏の甲子園は初戦敗退。ひと冬を越え、新監督の元でセンバツ4強入りを果たした。この日の悔しさが、また夏への糧になる。