報徳学園が5年ぶりに春の兵庫を制した。21日から和歌山で行われる近畿大会に出場する。

エースの榊原七斗投手(3年)がセンバツ出場の東洋大姫路を寄せ付けず、完封した。5安打、1四球、5奪三振の内容。制球がよく、わずか94球で「マダックス」(100球未満で完封)を達成した。

初回の先制点も自らのバットでたたき出した。左前への詰まった当たりだったが、判断よく走って適時二塁打にした。フィールディングでも、たび重なるゴロを反応よくさばき、野球センスのよさをさまざまな場面で発揮した。

最終回、2死一、二塁のピンチを三振で切り抜けると両手でガッツポーズ。仲間と喜び合った。今大会で最速を144キロに伸ばした左腕は「1点もあげなかったことは成長だと思う。開き直って投げられた。この優勝は自信になるが、また夏に向けて1からやっていきたい」と引き締めた。

昨秋は3回戦で東洋大姫路に0-1と完封負けされた。「リベンジできたことはうれしい。今までケンカしたり、ぶつかり合ってきたけど、大会では1つになろうと言いながらやってきました」。

練習では課題が出るたびに集まり、遠慮なく意見をぶつけ合った。つかみ合いのケンカに発展することもあったという。「もちろん雰囲気は悪くなるんですが、そこからうちの良さである明るさに、もう1回もっていけるか」。

大黒柱の榊原でさえ、控え選手から「こっちの気持ちも分かってほしい」と直言され、ショックを受けたという。「もっと頑張らないといけない、と思い直しました」と振り返る。各自が課題を突き詰めて、レベルアップを図ってきた。

東洋大姫路にはリベンジを果たしたことになるが、その時苦しめられた相手エースの森健人投手(3年)は今回投げてこなかった。本番の夏も間違いなくライバルになる。【柏原誠】

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