甲子園「夏連覇」に第1歩!! 昨夏甲子園優勝校の智弁和歌山が和歌山商に競り勝ち、8大会連続15回目となる春の県優勝だ。5回1死二塁。渡部海捕手(3年)がスライダーをとらえて左中間に2ラン。リードを3点に広げた。

高校通算29本塁打目の渡部は「勝ち切れたのはいいこと。でも、内容がまだまだ」と振り返った。相手先発の下手投げ右腕に苦戦。序盤は得点できなかった。中盤は走者を出しても併殺打2本。主戦の武元一輝投手(3年)らを温存した戦いだったが、圧倒できず、自己評価は手厳しかった。

夏日本一を思えば妥協できない。昨秋は県大会準決勝で和歌山東に敗れ、センバツの道を断たれた。春の甲子園は大阪桐蔭が優勝。渡部は「センバツに出られず、悔しかった。近畿や甲子園で勝ち上がったら(大阪桐蔭と)当たる。絶対に倒してやろうと」と言う。高校18本塁打&最速148キロ右腕でプロ注目の武元も「あのチームに勝てないと日本一はない」と気合だ。

春夏連覇を目指す大阪桐蔭が府大会を制すれば、21日開幕の近畿大会で対戦の可能性もある。中谷仁監督(43)は「日本全国のチームが立ち向かってくるなかでやりきるスゴさがある。今年の代で圧倒的な強さを誇る大阪桐蔭さん(を倒すこと)なしに、そういうところ(夏連覇)はない。重々意識しながら、挑戦できる準備をしたい」と話す。昨春近畿大会は大阪桐蔭にサヨナラ負け。夏に向けてキバを研ぐ。【酒井俊作】

○…市和歌山エース米田天翼投手(3年)が9回103球完封で3位決定戦の日高戦を6-0と完勝し、近畿大会3枠目をつかんた。今春センバツで花巻東・佐々木麟太郎内野手(2年)を封じたが大阪桐蔭に痛打された。「ストレートが通用する自信はついたがコントロールの少しの失敗で(大阪桐蔭には)本塁打されてしまう。今日は要所で低めに決まって痛打されなかった。少しずつ成長している」。センバツ後の公式戦初先発で経験を生かした。